旅行業界・悪魔の辞典

このページは、多くの宿泊施設・食事施設・旅行代理店・識者など「賢い宿の予約方法」を読み、その主旨に賛同していただいた業界関係者から「ナイショですが・・・」といって寄せれた言葉を集約して編集しました。
新たに登録したい言葉があればお寄せ下さい。nobu@net626.co.jp


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あ行

アール:旅行業者が観光施設に対する「送客のしやすさ」の程度を示す数字。この業界では、送客手数料のことをリベートのRをとって「アール」と呼ぶ。食事・土産物施設で10〜15%程度、宿泊施設で15〜30%程度であるが、もちろん個別の交渉によって決定される。従って安いところもあれば高いところもあり、高い施設には一生懸命振り向けようとする。むろんそのしわ寄せは全て消費者に寄せられるので、あまりひどくクレームが出ても困るためその扱いは微妙なバランスの上に成り立っている。

アサイン:事前の部屋割り。「ツインのシングルユースになりますが・・・」と言われてもシングルも空いていることもままある。

案内所:さまざまな施設と契約をして、そのセールスを旅行業者に対して行うという名目で運営される旅行情報提供機関。旅行業者側から見れば「お願い」をされるだけで、契約している複数の施設のどこにでもいいから送客してくれと言われてもなんら得るところはなく、せいぜい電話代が少しやすくなる程度。その運営コストは当然旅行代金に上載せさせられる。

インセンティブ:直訳すると「魅力つけ」。観光施設が旅行代理店に対して、送客1人につき¥○,○○○を送客手数料とは別に払うという契約。施設側から言い出す場合と、旅行代理店から強要される場合と両方あり、ともにその地区に振り向けられたお客を一手に捕ってしまうことが意図されているが、必ずしもやっているのが本当にそこ一軒という保証は全くない。

いりこみ:お客の到着のこと。言うまでもなく「お客を入れ込む」ところから来ている。「入り込み何時?」といえば「ご到着何時?」という意味。いかにもはまった・はめた言い方と感じるのは気のせいか?

宴会場:施設側からすればなければお客が来ず、あればやかましいと苦情をいわれるタタミの部屋。観光業者側からすれば、部屋が空いていてもこれが埋まっていれば、高単価な施設にハメることができず儲け損なうタタミの部屋。添乗員にしてみれば酒の勢いも手伝って殆どのトラブルが発生するタタミの部屋。

温泉:もはやただのお湯と区別がつかなくなった鉱泉水。もともとは随分希少価値のあるものであったが、最近は新たに掘り当てるところも多く、また旧くからの有名な温泉でも殆どの成分が水道水というところも多い。その気になれば「温泉の素」まで使えばもはや希少価値などというものからは程遠い。逆に言えば無理に温泉でなくても送客するのは最近は楽になってくつろいでいる者も多い。


か行

会席料理:「わかる」と称する者にはケチのつけどころであり、「わからない」者には全く意味のない料理の集合体。

観光:あまりに歴史が古く、あまりに参入が簡単なために、あまりにわけのわからない様々な種類の業者(公共体まで)が利益を得ようとする中世的色彩を強く残す業界の名前

キックバック:お客を一定数以上「送客」した場合に、施設側から旅行業者(エージェント)に支払われる報奨金。当然その負担は最終的に消費者に還元される。最近では団体客の優先送客を受けるため一つの旅館だけでなく観光地全体のエージェント加盟旅館ホテルで送客1名につき千円等と行うこともある。当然アールへの上乗せ。

クーポン:現金を持ち歩くと危険という方便からうまれた紙切れ。お客に現地で現金で支払いをされると色々な不都合が生じるため、業界では便利に扱われている。もちろん法律的な裏付けは全くない。

芸妓:宴会で芸をするのが当初の目的であったが、最近はそういうのはいない。コンパニオンによって徹底的に駆逐されていっている婆あの総称にかわりつつある。

結婚式:これを値切るヤツはいない甘まーーいマーケットのため、旅館・ホテルとも熱心に力を入れるマーケットの名前

ゲタ履き:旅行に関する物を「仕入れ」れば、お客にいくらで売っても構わないという考えから生まれた旅行業界独自の商習慣。支払い価額と受けとる商品の差額は正規に手配した旅行に比べ大きく開きが出来る。

こだわり:施設のいたらなさを口先でごまかす、宿屋のおやじの方便

コンパニオン:単に酌をするだけから枕を取るのまで、ピチピチギャルから婆あまで、あたりはずれの多い宴会用のスタッフ。総じて芸はまったくないのでひどいのに当たると随分損したような気になる。


さ行

サービス:対価を払う側にとってはタダの物と認識され、対価を受け取る側にとってみれば値段に合わない高価な物と認識される人間の行為の称号。

仕入:宿泊施設・食事施設・土産施設などを「物」として扱い、お客という「物」にマスで接続していくために旅行業者が考え出した呼称。多くの旅行業者は「仕入れセンター」というものを持っているが、これが宿泊施設等の部屋を押さえる機関であるということは名前からは簡単に想像がつかない。

仕込む:ツアーのお客をいつ・どこに仕向けるかという営業用語。はっきり言って「お客様」などという感触はこれっぽっちもない。

支配人:テレビを見ると格好いいが、じつはクレーム処理・問題処理を一手におしつけられた人の職名。

食中毒:宿泊施設が最も恐れる事故の1つ。当然絶対安全はなく、概して、超新鮮な材料を得ようとすればべらぼうなコスト・料金になり、安い料金にコスト管理しようとすると危険性が増す。結局金次第といういつもの問題決着に落ち着く。

宿泊料金:常にバランスが取れない商品の値段。安いのは質が悪く、高いのは質がよいのは当然だが、その認識がこの世で一番通用しない商品。お客・宿泊施設・旅行業者の認識が常に3つとも一致点に達さない。

生花:宿泊施設の最悪のコストプッシュ要因。この替わりに絵・香炉・壷などでごまかせればかなりコスト削減になるため、なんとか廃止しようとがんばる施設も多いが、密かにチェックしているお客もあり頭痛の種にもなっている。ちなみに最大手H系ホテルではその減少度合いが多いと一時話題になった。

接客・仲居・女中:あたりはずれの多いサービス係の呼称。カスに当たるといくら良い評判の旅館でもみごとに絶望的な気分にしてもらえる。


た行

特消税:地方官僚の飲み代にあてるために地方官僚が旅行者から取り上げる税金。「貴重な地方財源」という言葉のもとに、消費税が5%になろうが2重課税だろうが決して廃止しようとしない。


な行


は行

バイキング:宿泊施設の省力化のため思いついた便利なサービス。宿泊施設の朝は忙しくかつ人手不足。そこで、リゾート風に勝手にやらせておけば勝手に悦び、かつ省力化できるという発想。むろんお客の層もホテルと旅館のサービスの差が区別できない者も随分多くなったため、連れ込み以外はさしたる苦情もなくなってきているのが現状

バス1(イチ):お客の数の数え方の単位。だいたい20人を指す。離婚歴のある人のことではない。

美人女将:旅行者のきままなわがままによって創出された、女性のでたらめなイメージの名称。冷静に考えてみれば、あるいは自分のカミさんを基準にして考えれば、そんな出来の良い女性がこの世にママとは存在しないことがわかるはず。

100選:旅行者のあるいは旅行会社のきままな思いつきで勝手にランクをつけようとした行為の集大成。上から100だけが良い物という論理的な保証は全くないし、それ以外の個性を否定する理由付けも全くない。そもそもそのランキングの明確で論理的な基準すら明らかでない。

部屋食:宿泊施設の最大のコスト負担になるために、「バイキング」とか「料亭街」とかの言葉でごまかしてなんとか廃止しようと画策している昔ながらの旅館の風習。

法定労働時間:もし本当に法律通りに実施されれば「労働基準局の監督官」でさえ旅行が嫌になるような規定。


ま行

無料送迎:お客側からのわがままによって発生した違法行為に限りなく近い利便性の名前。「白バス」「白タク」行為であり安全性は考慮されていないが、万が一の事故に対する保証が全くないことには誰も触れない、触れては通れないタブーの道。

名物料理:お客側からは常に期待するが、理論的にあり得ない料理の種類名。そんなにうまければ必ず全国区の料理になってどこでも食べられるものになり、まずければ決して名物料理にはならない。


や行


らわ行

リゾート:「不便な僻地」の訳語。のんびりしたイメージを狙ってか都会の真ん中でも「アーバン・リゾート」などと無茶苦茶な使い方もされる。

旅行:旅行会社によってあやつられる人間の行動の称号。決して自分ではコーディネートしてはいないにも関わらず、いかにも自分が主人公のような気分になれるところがミソ。

料亭街:宿泊施設の省力化のため思いついた便利な設備一見高級風な雰囲気も醸し出している。むろん悪いことばかりではなく、厨房にも近くバッチ処理できるためそれなりに料理の質は向上することが多い。

露天風呂:屋根のついていないだけの風呂
一時ブームになったためありがたがる人間もいるが、葉っぱが浮いていると文句を言うヤツも多く、自然の理と人間の欲求がなかなか一致しない風呂でもある。
和の文化:古い習慣を有難味のある商品に感じさせるための旅館の方便の名前。


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