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= 絶対湯量 |
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温泉では浴場に温泉分析表の表示が義務づけられています。 そこに書いてある噴出量を確認してみて下さい。それに60分を掛け、24時間を掛け、365日を掛けると年間の総噴出量が出ます。それを年間の利用者数(複数の施設がある温泉地の場合は、「入湯税対象人数」の方が良いと思います。)で割ると出る数字が絶対湯量です。
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湯原温泉の場合・・
304万トン÷22万人=約14トン・・ |
この1人当たりの湯量が何リットルになるか何トンになるか・・??
またはその温泉の湯船の総容量で割っても面白い。満杯にするには何日分の温泉を貯める事になるのか・・・ |
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来訪のお客様に温泉について聞かれた場合の対応例をある宿を想定して
紹介します。ここでのポイントは、利点でなくあえて注意点を中心に話を進める
事でお客様に湯原の温泉の素晴らしさをアピールすることができます。 お客様:ところで湯原温泉のお湯ってどんな泉質なんですか? 客室係:キツイ湯ですよ。低張性アルカリ高温泉と言う泉質ですがph(ペーハー)が9.2以上ありますから本来、美人の湯と言われますがご家庭のお風呂やその辺の紛い物(ありふれた)温泉のような入り方をするとブスの湯になっちゃいます。 お客様:絶句 客室係:無色透明でその上、無味無臭なので只のサラッとしたお湯に見えますがPhが9以上というアルカリですからお湯そのものが油や垢を溶かすんです。だから石鹸を多く使うと一皮剥けた上に・・剥けちゃいます。地元の人は、身体が慣れてますが慣れない方は、石鹸使うと赤くなったり後でお肌がつっぱたりして大変です。あまり洗剤は使わない方が良いみたいですね。シャンプーしたら髪がパサパサになりますから濯ぎはお湯を水で薄めた「ぬるま湯」流した方が良いですよ。ここは湯が豊富で、うちの泉源だけで一分間に1718リットルも湧いてます。温泉郷全体では5800リットルも湧いてます。温度も50度程度あります。だから水で薄めてませんので温泉が「キツイ」んです。 お湯の量は、草津が日本一と言われますが温泉街の規模が違いますからね。ご覧頂いた様に湯原は、谷間の底の小さな町で年間20万人しかお泊まりのお客様もありませんから。草津なんか200万人ですからねぇ。比べものになりません。でもお客様一人当たりに使えるお湯の量は、計算すると14トンだそうですから草津より多い事になりますね・・オホホ。 お客様:絶句 客室係:その辺がアトピーなんかにも良いみたいですし、実際にここの温泉病院には全国からそういう方が沢山お越しです。 お客様:飲んでも効くんですか。 客室係:この温泉は「天然のアルカリイオン水」なんですね。ただアルカリが強すぎて岡山県の保健所では飲用できない事になってます。ph9を越える水は駄目だって。でも地元の人は、胃が痛んだりした時には飲んでいますけどね。胃の酸を弱めてくれるらしいんです。ここの温泉1トンを水と同じph7の中性にするのに硫酸1リットル必要だそうです。 お客様:絶句 お料理にも使っているんですよ。よくアルカリイオン水でご飯を炊くと美味しくふっくら炊けるって言うでしょ。ここの温泉は、天然のアルカリイオン水ですからお出汁やお茶も美味しく出ます。コーヒーも美味しく点てれるんですよ。今日は、お客様もそのアルカリイオン水の温泉に入られるわけですからお客様も「美味しくふっくら・・・」オホホ。 でも長湯し過ぎますと煮えすぎて「湯中り:ゆあたり」を起こしますからご注意下さいね。またそんな強い温泉ですので「梯子湯」もいけませんよ。 ここは古くからの(たたら場からつづく)湯治場ですから温泉指南書というのがあるんです。それによれば最初の三日間は、日に一回、身体が慣れてきたら朝晩の二回、間を入れて三回までに増やし7日から10日間かけて仕上げるそうです。 お客様:では今回は、一泊の予定ですから1回しか入れないんですか? 客室係:オホホ・・そんな野暮は、言いませんけど欲張りますと「湯疲れ」を起こして、せっかく温泉に「疲れ落とし」に来られたのに返ってクタッと疲れてお帰りになる事になりかねませんからくれぐれもご注意を・・。 補足:低張性とは人間の浸透圧よりも低い性質と言うことです。 水のクラスター値に小さい状態とは、分子構造が小さな単位の状態を言います。クラスター値の小さい水は、人間の身体に吸収しやすいので肌を「しっとり」させる要素ともなります。しかし飲用した場合にはこのままでは腸壁を刺激し下痢を起こしやすいそうです。飲用する場合は、沸騰させる等、水の分子を結合させてクラスター値を大きくする必要があります。
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