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サルでも解る本物温泉の見分け方(湯原温泉的考察)
 日本は、温泉天国でボーリングすれば、どこでも無尽蔵に温泉が出てくると思われているようですがチョット違うと思いませんか?ふるさと創生以来、日本全国の地方自治体が温泉をつかった町づくりを目指しボーリングを行ってきました。確かに1000mも掘れば温泉法によって認められる25度以上の暖かい水は出てきます。しかしそれは地中の溜まり水で有る事が多い。欲しいままに動力を使って吸い上げ続ければいずれ無くなります。一方、自噴している温泉は、自然のサイクルの中で弛み無く生み出されているのです。森林に降った雨が長い年月を経て地下に浸透しマグマで暖められ地上に流れ出る。これは余程の天変地異か、森林の伐採など山が荒れない限り枯れることはありません。湯原温泉は、1000年以上の昔より自噴する温泉を利用しています。自然のサイクルの中で生み出されている温泉なのです。
 ここでの定義は、温泉法によるものではありません。あくまでも湯原温泉的な温泉の定義です。湯原で生まれ育ち温泉に日々携わっている住民としての感覚であり至って私的な意見です。・・でもこれって皆さんが普通に温泉のイメージとして思っているモノでは無いでしょうか?(文責:古林伸美)

■ 本物温泉:湯原温泉的定義 その1
温泉というぐらいだから温かくなければ温泉とは言えないでしょう。冬でも入れる程度の温度でなければいけない。温泉に入って風邪をひく様な事があるようでは日々使えないじゃないですか。暖まるから温泉だと思ってます。温泉法だと25℃以上となっていますがそんな低い温度では夏しか入れないじゃないですか。最低でも38℃はあって欲しい。ボイラーで沸かすと言うのは湯原人的には許せませんね。例え温泉法で言うところの成分が含まれていたにしても・・・。燃料焚いて沸かすんではコストが気になってジャブジャブ使えないじゃないですか。

■ 本物温泉:湯原温泉的定義 その2
湯原温泉的ご都合主義でいえば自噴する温泉を利用して初めて「本物温泉」と定義したい。現在の温泉法での定義は、どのような手段であろうが地下水の温度が25℃以上あれば温泉であり、定められた成分が含まれれば温度に関係なく温泉となっている。この定義もご都合主義から生まれた定義でしかなく無理な地域開発を誘発し無用な地域間競争を煽っている最大の原因だ。動力を使って強制的に地下深くから吸い上げた湯水は、所詮、地下の溜まり水であり、導く細く長い穴など大地の力の前にあっては蜘蛛の糸より細くもろいラインでしかない。自然のサイクルでいずる温泉に比べれば注射の時の穴ほどの一時の幻でしかない。この理屈、結構説得力があると湯原温泉的には思えるのだが如何ですか。ただしこの定義で行くと日本中のほとんどの温泉は、偽物と言うことになってしまう。それでは不都合過ぎると言う事になる。であるなら現状のボーリングした温泉は、仕方ないので温泉という事にして新たなるボーリングによる温泉開発は、一切認めない事にすれば取り合えず皆さん納得できる。で以下の「その3」による数値で判断して頂くしか方法が無い様だ。

■ 本物温泉:湯原温泉的定義 その3
「お風呂はお尻とお口の間接キッス!」中学校の保険の先生から教えてもらった言葉です。贅沢三昧にお湯を使える。それが温泉だと思ってます。理論上いくら清潔に保たれていると言っても循環式のお湯に顔をつける気にはなれません。湯船に入って顔もジャブジャブ洗いたい。それが抵抗無く出来るのが温泉であった筈です。その為には絶対的な湯量がなければいけないと思うのです。そこで本物偽物と決めるのは、以下の計算値から各人勝手に判断し本物偽物と判断されるのが最良と思うのですが如何でしょう。その答えが幾らなら本物かどうかという判断は、利用される皆さんが決めればいい事です。家庭のお風呂の容量が200〜250リットルですから、その数倍は、欲しいところですね。


温泉の絶対湯量は???
入浴者1人当たりの温泉の量

噴出量(年間総湯量)÷ 利用者数(年間)
= 絶対湯量
理論上利用可能な1人当たりの最大湯量
温泉では浴場に温泉分析表の表示が義務づけられています。
そこに書いてある噴出量を確認してみて下さい。それに60分を掛け、24時間を掛け、365日を掛けると年間の総噴出量が出ます。それを年間の利用者数(複数の施設がある温泉地の場合は、「入湯税対象人数」の方が良いと思います。)で割ると出る数字が絶対湯量です。

湯原温泉の場合・・
5800g×60分×24時間×365日=3048480000リットル

304万トン÷22万人=約14トン・・
入浴に使える1人当たりの最大湯量となります。
湯原温泉裏話:実際に利用しているのはその内1,997,280トンであり、しかもその多くは配湯時に魚骨方式のしっぽの部分で捨てられています。(洗濯場として利用)こんな量は、とても使い切れるモンじゃありません。また40℃程度の温泉は、スッポンやテラピアノの養殖に使われています。また郷内のある地域では商業的には利用されず家庭で利用されています。

この1人当たりの湯量が何リットルになるか何トンになるか・・??

またはその温泉の湯船の総容量で割っても面白い。満杯にするには何日分の温泉を貯める事になるのか・・・

これが温泉の真贋を見極める湯原温泉的計算式です。

■ 本物温泉:湯原温泉的定義 結論
結局のところ、その温泉が本物か偽物かという判断は、求める人の価値観や立場や目的で違ったモノになるんでしょうね。温泉以外の付加価値に温泉と言うイメージを持っている人も多いです。また温泉地の旅館でも温泉に頼らず商売されているところも多いです。昭和23年に作られた温泉法は、利権を含め保護法的な意味合いが強い様に感じられます。見直しをしなければならない点も有るでしょう。しかし有限な物である限り持つ者と持たざる者が出てくる事は、仕方ない事と思います。持つ者は、利用者に対して最大限にその温泉の特性を生かした利用法を工夫しなければならないし、利用者側もそれに見合った負担や理解をしなければならないと思うのです。少々歯切れの悪い結論ですが周りを見渡せばこんな結論しか出せないのです。

結論の結論
以下の条件を満たせば全て本物温泉という事にしましょう。

1.必ず加温、加水、循環濾過を行わない源泉浴槽が有る事。
低温の温泉であっても加温は、一切しない浴槽を設ける。高温の温泉の場合の温めるための加水は、かまわない。(これなら施設側もあまり抵抗は無いと思いますよ。高温泉の場合の加水も湯量が増える事になり贅沢に温泉が使えるという事です。清潔性は向上します。低温度の温泉においては、その温泉成分がもとより期待されての温泉法に基づく認定ですからそれが薬効のある源泉だと利用者に認識して頂ければ例え25℃の低温泉であってもご理解いただけると思います。)源泉浴槽の容量は、1時間に1回以上その浴槽容量以上の源泉が注げる範囲内の大きさに留める。また日に一度以上、完全に湯を抜き清掃を行っている事。低温泉の場合、暖まる為の浴槽が必要な場合は別に設ける。
※湯量が極端に少ない場合には、例え入浴できなくても桶で源泉の掛け湯をして頂く小さな臼の様な湯船?でも良いのでは・・。要は、「源泉100%」と言える部分を作る事です。これならタンクローリーでお湯を運んでいる処でも可能です。一日に4トンのお湯を運んだとして200リットルの浴槽なら20時間供給できます。これから溢れた温泉を「上湯」に導き利用します。

2.共同浴場(男女別の浴場)が有る場合、同じ浴場内に「下湯」、「上湯」を設ける。
下湯は、上湯の清潔性を高める為の浴槽として分離した浴槽を設け必要に応じて循環濾過装置及び塩素等による滅菌処置を行う。上湯は、源泉掛け流しを行う事とし、それが可能な容量面積に留める。(狭くても適当数の人数が入浴できれば可)ただし高温泉においては加水、低温泉においての昇温は認める。それ以外の目的の為の加水、昇温は不可。上湯は、湯量及び温度が適当であれば1の源泉浴槽と兼ねてもかまわない。また上湯は、日に一度以上の完全排水と清掃を行う。また利用者に「下湯」、「上湯」の意味を理解させ衛生的に利用する旨の案内を行う事。(案内板などの設置)
 尚、下湯は、上湯からの温泉が注がれる構造とし下湯の温泉が上湯に混ざら無いように配慮してある事。

3.温泉プロフェッショナルを常駐させる事。
 地域の温泉の特性に熟知しさらに温泉学及び健康増進プログラム及び緊急時に対処できる救急処置など熟知した人材が常駐している事。利用者の温泉に対する質問に答えられる人材の配備。現状広く知られている日本健康財団の行う温泉入浴指導員の講習内容では地域の温泉の特性は学習されない。それを補填する学習が必要となる。

湯原温泉:本物温泉宣言

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