「いらっしゃいませ。お早かったですね』玄関を入るなりオ―ナ―の明るい挨拶の声に迎えられた。それは、旅館の仲居さんがかけてくれる声とはまた違う、どちらかといえぱ田舎に帰ったときのおばあちゃんの「おかえり』に似たあたたかさがあった。
「プチホテルゆぱらリゾート』のオ―ナ―ご夫妻の古林伸美さん、美穂さんは二入とも地元湯原の出身。もともと、ここには伸美さんの実家である「三好野旅館』が建てられていた。「私は東京の大学で勉強をしていましてね。卒業して、さぁこれから就職という矢先に父が倒れ、家業を引き継ぐことになったんです」そして奥さまの美穂さんと結婚。美穂さんにとっても若女将としての毎日がスタートした。
引き継いだばかりのころは私も父のやり方と衝突したり大変でしたが、家内も若女将として母親ほど歳の違う仲居さん達の間で慣れない仕事に苦労したようです。2人とも旅館の仕事を実際に経験したからこそ、その良さも改善すべき点も知っているんですよね。私は他人を介してお客さまにサ―ビスすることをとても心もとなく感じていました、白分たちの手で直接おもてなしをしたいと考えた結果、プチホテルという形を選択したのかも知れません」そして1987年5月に「三好野旅館」は『プチホテルゆばらリゾート』に生まれ変わった。
今は、2人の子供達も成長しスタッフも増えてひと味違うおもてなしに頑張っている。息子の裕久さんは、エコツアーのインストラクターも出来る。自慢のロンドンタクシーで宿泊のお父さん譲りの流暢なお喋りでお客様をご案内。いまや湯原温泉の顔になっている。
|